2024.04.13

【卒業生の声】就職体験記⑤　職場実習～内定、伝えたいこと

④の続きです！

【卒業生の声】就職体験記①　問い合わせ～見学

▲こちらから順にお読みください。

職場実習　選考を兼ねて２回行うことに

これからどうしようかと思っていると、以前見学した企業に担当の職員さんが連絡を取ってくれることになりました。
その連絡を待っている間にも自分で求人検索をしたり、書類を見直したり、以前の自分からすると積極的に行動できていたと思います。

そうしている間に、連絡を待っていた企業から面接の日程が伝えられました。
面接といってもその企業は面接で採用が決まるわけではなく、その後の2回の実習を受けて採用が決まるのです。
ですが、面接の印象が悪いとその後の実習にもつながりません。

私はできるだけの準備をして当日を迎えました。

当日、企業に担当の職員さんに同行してもらい面接にも同席していただきました。
緊張しましたが、隣に職員さんがいるという安心感でなんとか乗り切れました。

実習の日取りを決め、その日は無事終わりました。

実習が無事決まり、安心できると思っていたのですが３年ぶりに働くという事実に不安と緊張が高まってしまい、パレットに通っていても時々心ここにあらずな状態になっていました。
実習が近づく私の不安に気付いてくれたのか職員さん達はよく声掛けしてくださいました。

また、実習中に気を付けるべきことについて助言もしてくださいました。
色々話を聞いて少し落ち着いた私は不安を少し感じながらも、実習の日を迎えました。

ついに実習開始！

実習当日、不安と緊張でガチガチになりながらもなんとか業務をこなせました。
担当職員さんが同行してくれたことと、すでに働いた方が私のことを気にかけてくださったことが大きいような気がします。

実習の間は終了後パレットによって日誌を書くことになっていたので、疲れてはいましたがパレットに着いた時とてもほっとしたのを覚えています。
実習先の皆さんとパレットの職員さん方のお陰でなんとか最初の２週間の実習を終えることが出来ました。

実習を終えてからの私は少し自信を持てるようになっていました。
体力は落ちていましたが、なんとか実習先で業務をこなせていたからです。

それに、次の実習までの間に自分が何をするべきかも考えられるようになってきていたのです。

「実習で久しぶりに体験した職場での対人関係に感じた不安や悩み」「私が就職活動を始めてからの家族との悩み」、これらを誰かに相談する事。

以前だったら自分一人で抱え込んで、思い詰めてしまっていたでしょう。

ですが私はこれらの悩みを迷いなく職員さんやカウンセラーの先生に相談できるようになっていました。
２回目の実習までの間に、実習先で感じた不安や悩み、家族との関係についても相談が出来ました。

私はもともと過剰に人目を気にしたり思い込みも激しい性格だったのですが、カウンセリングを受けていくうちにそんな自分のことをだいぶ客観視できるようになりました。
また、先生から対処の仕方のアドバイスを受けたり、自分でも実践してみたりするうちに心に余裕が出来て、本当に今まで生きづらさを感じていた生活が変わりました。

今回も早めに自分が感じている不安やもやもやとした気持ちを相談してアドバイスをもらえたことで、2回目の実習に前向きに向かえる自分がいました。

疲れはありましたが、実習は進んでいきました。

家族と向き合いながら実習完走、そして…

2回目の実習中、就職に関して家族と私との間で考えの違いが起こり、家族の言葉に深く傷ついてしまう出来事がありました。

何とか実習先に向かい1日業務をこなすことが出来ましたが、心のもやもやは晴れませんでした。

そんな中、いつものように実習後にパレットに立ち寄った際、家族間のことを職員さんに相談してもよいものか悩みましたが、思い切って話してみました。
忙しい中職員さんは私の話を聞いてくれ「そんなことがあったのに、頑張って今日よく仕事に行けたね。すごいよ」と言ってくれました。

私は涙を流しながら聞いてもらってよかったと思いました。
こころの重りが軽くなったような気がしたのです。

次の日からは実習に集中して取り組むことが出来ました。

無事実習を終えて実習先から内定を頂けたときは本当にうれしかったです。
症状がひどかった時期を思い出してよくここまでこれたなぁと感慨深く感じました。

一度は「消えてしまいたい」とまで考えた自分が噓のようでした。

2年間で気付いたこと、伝えたいこと

今でも、将来への不安に思い悩んだり他人の言葉に傷ついたり色々なことがあります。
ですが、今の私はパレットの皆さんやカウンセリングの先生多くの方々のお陰でその日1日を乗り切れればいいという考えが持てるようになりました。

今が辛くても、将来ずっとこの苦しみが続くわけではない。
自分が身をもって経験したからこそこう思えるようになりました。

それに、自分が思うほど世の中は敵ばかりではないということです。

私は偶然たどり着いたパレットという場所で本当に多くの方々に助けられ支えられました。
病気を患って仕事も辞めて全部自分一人で背負ってしまっていた私に、人に頼ってもいいんだと教えてくれたのもパレットです。

私自体、性格や性質が特段変わったというわけではありません。
現にパレットでも積極的に人と話したり、コミュニケーションが取れているわけではないのです。

以前の私ならそんな状況に焦って本来の自分を偽って明るく振舞おうと空回りしていたと思います。

今はそんな自分を、「全ての人に好かれようとする必要はない、大丈夫」と思えるまでになっていました。
挨拶が出来て最低限必要な会話が出来ればいい。話すのが苦手だったら聞き手にまわればいい。無理をする必要はないのです。

今でも以前の自分に引っ張られそうになる時があります。

そういう時は、カウンセリングで教えてもらった方法で自分で切り替えてみたり、職員さんや周りの人に相談したり自分なりに対処できるようになりました。

今回あまりいい例とは言えない私の体験談を書こうと思ったのは、もし自分1人で悩みを抱えて苦しんでいる人に、こんな私でも勇気をもって一歩踏み出せば支えてくれる人達に出会えて前を向けるようになったことを伝えたかったからです。

これを読んだ誰かが一歩踏み出す手助けになれればいいなと思っています。

そしてまだ今の自分には無理かもしれないですが、自分が色々な人に支えてもらった分今度は悩んでいる誰かの力になれる人になれたらいいなと思っています。

おわり。

パレット市原市役所前は、“一般企業への就職を目指している障害のある方”を対象に支援をしている福祉事業所です。
生活リズムの改善から、資格取得、就職活動、就職後の定着支援など、様々なサポートをしています。

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